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てぃーだブログ › たるーの島唄人生 › うたさんしんならやびら  › 良薬口に苦し

良薬口に苦し

雨が降ったり、寒かったり暑かったりと天候がおかしい。
体調もおかしくなる。
鼻かぜなのか、花粉症の走りなのか、鼻がつまる。
花粉症の人を前に「わたしも一度なってみたいもんですねえ」
とひどいことを言った罰なのか、その翌日からだ。
言葉は怖いものだ(笑)

鼻がつまっても稽古はしないと。
7月には優秀賞の次の最高賞を受験する。

ふりかえれば、新人賞優秀賞の受験にむけては仲西光雄先生に3ヶ月に一回は稽古を受けるつもりで沖縄に通ったり、先生に来ていただいたりを続けた。
時間は十分ではなかったが仲西光雄先生との直接のご指導がとても大きな自信になった。

良薬口に苦し
普段はニコニコされて稽古の合間などでも、「さー、茶ぐわー飲んで、ゆっくりして~」なんていっちゃたりしてとてもおやさしい。
しかし、あとから仲西先生はとても厳しい先生だと伺った。
教室を去る方も多かったと聞いた。

一度こんなことがあった。
優秀賞を前にしての春だったと思う。
お昼まえに2時間ほどの稽古。
宮古根を繰り返し歌わされる。
「もう一度」
先生も歌われるが独唱も。
「もう一度」
いつになっても終わらない。
「何度やるんだろう・・」と思うと節がくずれる。
「違う。もう一度」
しかし、だんだん集中力が薄くなって歌詞も間違える。
いかん、いかんと思いながらふんばる。

「もう一度」
集中力は薄くなっているが、何度もの繰り返しの中で節が固まっていくのは分かる。よけいなことが見えなくなり、遠くにではあるがなにか見える。
「よし、いいぞ」
やっと終わる。
険しかった先生の顔が普通に戻られている。
稽古が盛り上がってくると別人のように厳しくなられる。
別のときにこんなことも言われた。
「私のテープをまったく聴いていない」
何度となく聴いて真似をしているのに、である。

先週のこと、優秀賞の課題曲「世宝節」「浦波節」をMDに入れて送って聞いていただいた。
しばらくして携帯にメールがきた。
先生からだ。見ると短い文章。

「最高賞にはほど遠い」

それだけ。はげましの言葉もない。ここはヨシという評価もなし。
「厳しい」と感じた。自分でもまだまだだから先生にご指導を仰ぎたいと思い聞いていただいたものがつきかえされたような感じだ。
落ち込んだ。おまえの歌ではダメだとはっきり言われて落ち込まない人はいないだろう。

音楽とは楽しい音と書く。しかし修行は厳しい。
楽しいばかりが「ほんとうに楽しい音楽」をやることにはならない。
とくに沖縄の音楽は表面「楽しそう」だと人は言う。
しかし、沖縄の文化、芸能が今日でも隆盛が続いているのは無数にある研究所などでの稽古もまじめに行われていることも支えている一因だと思う。
音楽にも裏表があるのだ。

落ち込んだが、よくよく考えた。
最高賞の課題曲が歌えるようになり、人前で歌ってみて「よかったよ」といわれて天狗にもなっていた時期ではなかったか。
歌える、と思ったときが一番危ない。
先生の短いメール、「程遠い」という言葉は苦い薬ではないか。

もう一度、やり直してみよう。先生のテープを聴きなおしてみよう。
結論だけを書いていただいたメールは、余計な思い上がりをさせるより、気持ちを入れ直せ、というメッセージだとだんだんありがたく感じてきた。
最高賞のレベルは確かに高い。
今の気持ちと練習では受からないことを肝に銘じなくてはいけない。

良薬口に苦し

先生ありがとうございます!
実は、このあとまた先生からありがたいメールをいただいた。それについては後日。

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2006年03月18日 10:31
この記事へのコメント
たるーさん 厳しい一言だね!う~~~んメールでいただくには
きつい言葉だ

私たちは、しんし~を前に練習しているからじかにしんし~の
声をきくことができるし、目の前で歌わされて直接指導を仰ぐこともできるし
それに比べて、本土で習うひとたちは厳しいものがあると思うよ

でも、自分で選んだサンシン道 「ちばりよ~」としか
いってあげられないさ~~
Posted by MAGI at 2006年03月18日 22:39
先生には、感謝の一言。
それしかないね。
MAGIさんも先生に感謝してる??

この厳しさ。

同じ教室で面とむかってはいえないかも。
でも先生はすごい。
わたしにはいえないな。

でも先生には感謝。そしてそのあといただいたメールも嬉しい。それはまた。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年03月18日 23:23
たるー兄さん。
読んでいて身の引き締まる思いです。
兄さんでも、天狗になっていたと感じることがあるの?と驚いてます。

どこの師匠も厳しい。
私なんていつもいつも注意されてます。
面と向かってだけじゃなくてメールでも電話でも・・・。
怒られすぎ?

唄だけじゃなくて人生修行もしてるような・・・。
それでも、師匠が怒ってるのではなくて
叱ってくれてるのが分かるので、
いつもハッと気づかされてありがたい。と思います。
Posted by まえこ at 2006年03月19日 21:57
人生修行、そうですねえ。
人にものを学ぶというのはすべてに通じますからね。

相手が信頼できなかったら学ぶことはできません。
まえこさんも師匠への信頼があるからいわれていることがわかるのでしょう。

謙虚になる、それはすべてに通じることです。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年03月20日 06:26
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