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てぃーだブログ › たるーの島唄人生 › あまはいくまはい  › 黒松と喉

黒松と喉

昨日会社の帰りに友人がこんな話をしてきた。
「黒松の盆栽をやってるんだけど、枝の剪定が難しいんだ。まちがった剪定をすると翌年新芽がでなくなり枯れるんだ。」

前から歌も、木を育てるようなものだと思ってきたが、木を育てあげるには、ただ水や肥料をやればいいというものではなく、枝ぶりをよくするための剪定作業が大事なのだ。

歌を育てることは、喉を育てることになる。
喉はまさに生きた器官、筋肉と軟骨の複合体。
ひとつひとつの歌の節回しや強弱を自然に喉が出せる訓練は、まさに黒松の剪定の如く、根気よく、そして慎重にしないと芽を摘み取ることになる。

しばらく歌っていないと声がでない。
黒松のように「枯らして」しまったのかと悩む。
投げ出したくもなる。

歌い続けることは根気や頑張るだけではどうしても続かない。
「好き」という条件がいる。

私は生まれつき上等な喉ではなかった。
その頃森進一や和田あきこなどのハスキー歌手の物まねなどをしてよく遊んだのだが、どうもそれはコンプレックスだったようだ。
変声期の頃、担任の先生に悩みを打ち明けた。
「自分の声がハスキーで嫌いです」
すると男のやさしい先生だったが
「近くの公園で毎日大きい声をだしてごらん、毎日」
何回かやったが、よくならないのであきらめた。
確かに、あまり喉にはよいアドバイスではなかった。

そのうち先生はテレビのローカル番組のナレーションの話を持ってきた。
テレビに声だけでも出れる?子ども心に嬉しかったのだろう、二つ返事。
だが、テレビで聞いた自分の声はショックだった。

しかし、その先生の気持ちは今でも忘れない。もっと人前で歌い、声を出し、自分の声を好きになりなさい。そう心の中にいわれたような気がする。
人がもって生まれた声。喉。
歌が好きなら、それを大事にして、毎日楽しく歌い、自分の声をもっと愛していきたいものだ。
盆栽のようにそのコツもあるだろう。それはそれで勉強も必要だ。
けれどもその前にその黒松を愛して毎日大事にする気持ちがもっと大事かもしれない。失敗しても投げ出さない気持ちが。

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2006年10月21日 08:35
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