
さいさい節

暮らしと結びついてきた歌がある。
その土地の人の暮らしや思いを載せた歌。
私のメタボ兄弟(笑)の長男、トミーが歌う「さいさい節」がそのひとつ。
彼が言った。
昔おじいたちが歌っていた島の唄。なんとも思ってなかった。
それを最近、誇れるようになってきた。
と。
彼が酒を飲んだときにこんなことも言っていた。
島の歌が恥ずかしいと思ったことさえある、と。
昔、沖永良部におじゃましたとき
彼のお兄さんは歌も三線もやらなかった。
花の出荷作業に追われてそれどころの暮らしではなかったという。
歌や三線をやるものは肩身が狭い思いもしたと、遊びにきた歌者が言った。
そういう時代もあったわけだ。
トミーは「さいさい節」をいい声で聞かせてくれた。
感動した。
それが忘れられなくて訳にチャレンジ。
それに、いてもたってもいられなくなって沖永良部島に電話までかけてしまった。
手元にあった前田綾子さんのCDもすばらしい。

歌のすばらしさは三線の響き、声のよさ、技量の高さはもちろん大事だ。
けれども、歌の良さは「歌う人の良さ」だと思ってきた。
その人の生き様があってこそ歌がある。
トミーのような素敵な人間が好きだからこそ、彼の歌が好きになる。
島の人々が好きだから、そこの歌が好きになる。
ずっと大事にしていきたいものだ。
2009年03月06日 14:39
Posted by たる一
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