
歌と暮らしと沖縄と

「私はなんぼやってもうまくならないんですが、それでも毎日少しずつでも練習したほうがよいでしょうか」と聞かれた。
もちろん、「そうですね、5分でも」と答えた。
毎日、短い時間でも習慣のように三線に触れる、弾く、歌う、この積み重ね以外に「うまくなる」秘訣はないと未熟者の私がいわなくてもご周知のとおりである。
なかなか、毎日練習は難しい。
もともと厳しい農作業のなかから生まれ民衆の娯楽として栄えたはずの歌や芸能が、これほど暮らしのなかで切り離され孤立した時代はないのではないか?
いつでもどこでも歌われていた歌は、会社の中では普通ご法度。休憩時間はひたすら疲れを癒し会社が終われば居酒屋かカラオケにでも行きますか。お金払って防音された狭い個室でひそかに盛り上がる。電車ではヘッドフォンでこっそり。もちろん歌は厳禁。家に帰ればクタクタ、せめてテレビの歌バンかCDを。
歌は「聞く」ものだけでなく身体に備わった一人一人の能力であり、喜びだったはず。
歌うことが、お金と交換されたわずかな空間に限定され、歌ってはいけない空間が日本の社会を覆う。
沖縄に毛遊びという一種の野外音楽会プラス男女交流会があったが明治以降厳しく取り締まられたという。風紀を乱すという理由。本土にも昔は「歌掛き」という遊びがあったがすたれた。
アナーキーにどこでも楽器を鳴らして歌い遊ぶことが良いとは思わないがストリートミュージシャンたちをみていると管理され制限された日本の文化状況の閉塞感に対する叫びを感じる。
一日5分歌三線にふれることは、もしかしたら日本人が忘れた「生活のなかで歌うってこと」を取り戻すことなのかもしれない。
明日から沖縄。
沖縄には、まだ暮らしのなかに「歌い遊ぶ」 文化が残っている。文化を枯らす本土からの冷たい北風にも負けず歌と三線を守り続けた人々に会えることがなによりうれしいし誇らしい。
写真は私の会社の置き三線。休憩と昼休みは当然歌三線タイムでもある。会社のみなさん、うるさくてごめんね。
2008年06月25日 10:10
Posted by たる一
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この記事へのコメント
たるーさん
いよいよ、あちゃ(明日)からやんやー
西原のかじや(風)、あちかじと共にさとうきび畑を
通りぬけていますよっ・・・・・気イ ちきてぃ
めんそ~ち きみそ~りよ~たい(^_^)v
まっちょ~び~~んど~
いよいよ、あちゃ(明日)からやんやー
西原のかじや(風)、あちかじと共にさとうきび畑を
通りぬけていますよっ・・・・・気イ ちきてぃ
めんそ~ち きみそ~りよ~たい(^_^)v
まっちょ~び~~んど~
Posted by MAGI at 2008年06月25日 13:21
MAGIさん
もう沖縄にきてますよ。
さっそく昨日から稽古。
昨夜は民謡酒場でまったりと。
やはり、沖縄の夜はディープ。
今朝はつらい(笑)
いろいろお世話になりまーす。
もう沖縄にきてますよ。
さっそく昨日から稽古。
昨夜は民謡酒場でまったりと。
やはり、沖縄の夜はディープ。
今朝はつらい(笑)
いろいろお世話になりまーす。
Posted by たるー at 2008年06月27日 07:17
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