
唄と筆さばき

昨日は入門教室、新人のOさん、張り切って練習されていた。初心を大切にこれからも入門教室のみなさんと共に頑張ってほしい。
八時半からコンクール練習会。みなさんそれぞれよく頑張ってる。結果がどうあれ、一人一人の大切な財産になるはず。
さて、安波節の時に声切りについて意見をさせてもらった。
唄を「筆」にたとえる。「とめる」とか「はねる」とか、毛筆の筆さばきが唄の上げ下げや節回し、声切りなどによく似ている。
同じ工工四でも唄者の微妙な「筆さばき」で唄のイメージが違ってくる。
さらに言えば、筆の運びを強くするか弱くするか、かすれなども味わいの要素になる。墨の色合いなどは、さらに深みを演出する。工工四にはそこまでは描けない。個々人の味の見せ所だ。
沖縄民謡はあまり延ばしたり、引っ張りはしない。もちろんビブラートはいれない。これが癖になっている人は直すのに苦労する。
あっさりと声切りをするのだが、その切り口がまるで唄者の指紋のような特徴になる。
節回しだけでなく、声切りにまでこだわって練習すると、唄の完成度が高まる。
微妙な筆使いで描かれた書に感動するのとよく似ている。
昨日のコンクール練習に参加させてもらっていい勉強をさせてもらった。ありがとう!
2008年06月05日 12:45
Posted by たる一
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